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最終更新日:2024年04月26日
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第174話 「人生最大の危機1」

朝から腹の調子が悪い羽賀が会社のトイレから出て来ると、山本が言った。
「大丈夫っすか?何でしたら僕一人でもいいっすよ」
「そうは行かないだろ。長い間世話になった得意先だし、担当者が変わる時こそきちんと挨拶しとかなきゃ」
「田舎だし距離もあるんで、もし途中でトイレ行きたくなったらアウトっすよ」
「正露丸飲んだし、もう大丈夫だって」
「今日は天気も良いし、ドライブ日和っすね」運転をしながら山本が言った。
「悪かったな。助手席に乗ってるのが彼女でなくて」
「あっ、コンビニ在るっすよ。止めましょうか?」
「いいよ。大丈夫だ」
そうこうしている内に、無事得意先に到着した。
世間話しも織り交ぜ、挨拶が終わろうとした時、一升瓶に入った牛乳を見て羽賀が言った。
「凄いですね。自家製の牛乳が飲めるなんて」
「今、沸かしたとこなんで飲んで行きなさい」
顔面蒼白になった羽賀を見て、山本は、羽賀の腹の調子が悪い事を相手に伝えると、牛乳が入ったカップを受け取り、美味そうに牛乳を飲み干した。
「いや~濃厚で本当に美味しいですね」と満悦の山本。
「そうだろ、そうだろ。店じゃ絶対に売ってない牛乳だよ。良かったらもう一杯飲みなさい」とお代わりを注がれる。
こうしてすっかり山本は気に入られると、得意先を後にした。
車で暫く走ると山本の様子が変な事に羽賀が気付いた。
「どうした?顔色が悪いぞ」
「ヤバイかも知れないっす」
「腹か?下痢ッピーか?」
「はい・・・人生最大の危機かも知れないっす・・・」
「随分と大袈裟だな、たかがウンコしたいだけでよ」
「運転変わって貰っていいっすか・・・」
「よしよし分かった。でも暫く便所無いぞ」
「気、気合で乗り切ります」
「体育会系か!お前は!でも大丈夫か?少し様子見るか?そこの橋の下でして来たらどうだ?一応、水洗だしなフフフ・・」と笑いを堪える羽賀。

つづく

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