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最終更新日:2024年04月26日
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第199話 「変貌」

Aは高校時代、陸上部で長距離の選手だった。
細身の体のどこにそんな体力があるのかと思うほどで、他のスポーツにおいても万能でかなりのイケ面だったが、久し振りに会った今現在、人ってこんなに変わるのかと思うくらい変貌していた。
「最後に会ったのって十年以上前だったよな」僕がAに言った。
「そうだな。あの頃はまだ俺も細かったっけ」
「太ったろ?こいつ。年々大きくなるんだよ」とAを指差しながらBが言った。
「太ったって言うより、別人だよ」と僕。
「高校の頃と比べて七十キロ増えたからな」とビールを美味そうに飲み干しながらAは言った。
「七十キロっていったら俺 がこいつの体にへばり付いてる様なもんだぞ。昔は筋肉質でいい体してたのに、それが全部脂肪に変わっちゃったんだな。これからCが来るんだけど、お前を見たらビックリするぞ」とBは笑いながら言った。
「俺もCには高校卒業して以来会ってないからさ、俺を見たら喜ぶんじゃない?デブ仲間が増えたって言ってさ」と自虐ネタで笑うA。
「あいつも高校の頃は、かなり太かったからな」と僕。
「冬に飲み会した方が良かったかもな。夏場は辛いぞ脂っこいデブが二人も居たらよ」と笑うB。
AとCは高校の頃はとても仲が良かったので、Bが気を利かせて今日の飲み会に誘っていた。
ここに居る三人ともCとは十数年会っていない。
「九州に行く予定はないよな。宮崎なんてさ」とB。
「宮崎?ああ、口蹄疫か?何でも終息宣言したらしいぞ。偶蹄目だから蹄が二つに割れてる動物がヤバイんだろ?って俺は豚か!」Aも負けずに言う。
「何だかこの焼酎お前の頭みたいだぞ。薄くてさ」と、長年付き合いのあるAとBの漫才の様な会話が続く。
そんな中、Cが到着した。
「久し振り。遅くなってご免」Cを見た瞬間、三人は目を疑った。
そこには見違えるほどスリムでイケ面のCが立っていたからだ。

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