求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月26日
最終更新日:2024年04月26日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第207話 「ドジ」

第207話 「ドジ」

羽賀が出社するのを待ちかねた様に加藤が言った。
「お前、財布落とさなかったか?」
「えっ?財布ですか?」と言って羽賀はズボンの後ろポケットを確認した。
「あっ!無い!」
「昨日、郵便局から連絡が来て、財布を預ってるって言ってたぞ」
「そうですか。いや~びっくりした~。拾ったのが何処の誰か知らないけど、助かりました~」
「どうせたいして入ってなかったんだろ」
「まあ、そうですけどね」
「中身が入ってるかは分からんぞ。郵便局にも迷惑が掛かるだろうから早く取りに行った方が良いぞ」
「はい、今日は向こうへ行く予定があるんで、ついでに貰って来ますよ」
「羽賀さんて、よく財布落としますね」山本が言った。
「そうなんだ。拾った事はないのに、落っことしてばっかりなんだ」
羽賀は暫く事務仕事をした後、出掛けて行った。何時間かして羽賀から電話が掛かって来た。それを受けた山本が加藤へと繋ぐ。
「今、郵便局に来てるんですけど、財布届いて無いって言うんですけど・・・」
「えっ?昨日、お前が帰った後に電話来た時は、財布預ってるって言ってたぞ」
「昨日ですか?じゃなんで昨日の内に・・・あっ、携帯会社に忘れたのか・・」
「そうだよ、お前の携帯に掛けたら、お前の机の上で携帯が鳴ってたし、家に掛けたら留守電だし、連絡が取れなかったんで今朝になって言ったって事だ。誰が悪いんだ?俺か?」
「いえ、自分です」
そう言った後で、何かに気付いた様に羽賀が言った。
「『きのう』『きの』じゃないんですか?」
それを聞いた加藤は大声で笑うと、「俺は、きのう郵便局から電話があったって言ったんだよ。創造はつくけど、お前さ、今何処の郵便局に居るんだ?」
笑いが止まらない加藤に対してぶ然とした様子の羽賀。
「お願いだから教えて」と意地悪く懇願しながら笑い転げる加藤。
「木野(きの)郵便局です」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態