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最終更新日:2024年04月26日
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第267話 「叔父21」

正月休み、テレビを見てると叔父から電話が来た。「明日スキーに行くべ」
「嫌だ!」
「何でよ、今年は大人しく滑るから一緒に行くべ」
「嫌だ!絶対に嫌だ!去年も同じ事言ってたしょ」去年、叔父と一緒にスキーに行って叔父が無茶をし過ぎて足の骨を折っているのを思い出して、僕はかたくなに拒否をした。
「今度はマー坊も連れて行くべ。正月くらいスキーに行くべって」マー坊と言うのは僕の友達の子どもで、小学五年生の男の子である。
叔父とは何度か面識がある。確かに叔父はマーちゃんの言う事は良く聞く。叔父の執拗な誘いを断る事が出来ず。渋々だが僕は承諾した。
「こんにちは。今日はボードに誘って頂きありがとうございます」相変わらず礼儀正しくマーちゃんが挨拶をした。
「マー坊はボードか。随分とハイカラだな」
「ハイカラですか?」マーちゃんが分からないのも無理は無い。僕も久し振りに聞いた言葉だった。
「親父はどうした?」叔父が聞いた。
「お父さんは、今日からお仕事なんです。お二人に宜しくと言ってました」
「何だ、忙しい会社なんだな。四日からもう仕事か。俺なんて一月いっぱい正月休みだ」
「凄いですね。学校の冬休みより長いんですね」
「勝手気ままな自由業だからね」僕が言った。
「まあ、冬場はそんなに物件も動かんしな」不動産業を営む叔父が言った。
朝から滑り、お昼近くになった頃、三人乗りのリフトの上で叔父が言った。「喉が渇いたな」
「僕も乾きました」とマーちゃん。
「これ一本滑ったらロッジで少し休もうか」リフトの終点近くで僕が言った。
「いや、ちゃんと用意してあるから大丈夫だ」少し笑いながら叔父はそう言ってリフトから降りると、ひと気の無いコースの脇へと進んで行った。ある地点で立ち止まると、叔父は僕ら二人に向かって手招きをした。

つづく

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