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最終更新日:2024年04月26日
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第268話 「叔父22」

叔父の所へ行くと、不敵な笑みを見せながら言った。
「ここ掘って見れ」マーちゃんが言われるままに雪を掻き分けると、缶ビール二本と缶コーラが出てきた。
「うわー宝探しみたいで楽しいですね」
「そっか、楽しいか」
マーちゃんの喜ぶ顔を見て、叔父も嬉しそうだった。三人は誰も居ないコースの外れに立って乾杯をした。体は何本か滑ったスキーのせいでポカポカと温まっている。空はピーカンで雲一つ無い。そんな空の下、雪の中でギンギンに冷えたビールを息もつかずにゴクゴクと飲む。
「ぷは~っ!うんめ~」
僕の言葉に叔父が嬉しそうに言った。
「だべ~!美味いべ!」
「美味しいですね。僕、一気に飲んじゃいました」とマーちゃんはコーラの缶を片手にそう言った。三人はあっという間に飲み終えると、空き缶をしまいながら叔父が言った。
「まだあるからな」
「えっ、本当ですか?」マーちゃんが言った。
「この先の何処かに埋まってるぞ。良く見て滑れよ」
「僕、探しますね」
そう言うとマーちゃんはコースの端を滑り出した。二〇〇メートル程先でマーちゃんが大きく両手を振っいる。
「おっ、見つけた様だな」
そこでまた乾杯をして一気に飲み干す。
「まだあるからな」
「えっ?まだあるの?」
「後は飯を食った後だな」
そう言って三人はロッジへ行き、昼食をとった。食後にジョッキを叔父と二杯ずつ空けた。結構良い気分になって来た。
その後、また宝探しをし、いつの間に埋めたのか、最終的に全部で五ヶ所に埋めてあった。もう僕も叔父もかなり酔いが回っていた。
帰り際、駐車場でマーちゃんが言った。
「誰が運転するんですか?」
「あっ!」と言って僕と叔父はマーちゃんを見た。
「無理無理。僕、子どもですから」
その夜、スキー場内のホテルで、僕とマーちゃんは叔父のイビキに一晩中悩まされる事になった。

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