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最終更新日:2024年04月26日
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第285話 「マーちゃん17」

友達の家に行くと、小学五年生のマーちゃんが料理をしていた。
「今日はマーちゃんが当番なの?」
「本当は明日なんですけど、今日はお父さんが仕事で遅くなるらしいので、僕が作る事になりました」
キャベツの葉を何枚か重ね、まな板の上でトントンと子気味良い音を立てて千切りにしている。
「上手だなマーちゃん」
「そうですか?何時もやってますから」
「サラダ作るの?」
「はい、今日はシチューと野菜サラダと豚肉の生姜焼きです。ご飯まだでしたら食べて行きませんか?」
「あっ、俺の分もあるの?」
「ありますよ。沢山作りましたから」
「今日は家の奥さん、会社の飲み会があるらしく、帰ってもメシの用意がしてないんだよ」
「だったら、ちょうど良いじゃないですか。どうぞ食べて行って下さいよ」
「俺も何か手伝おうか?」
「もうほとんど出来てますから、後はご飯が炊き上がれば食べれますよ」そう言ってる間にご飯が出来た。
「それじゃ食べましょうか」
「お父さんは待ってなくてもいいの?」
「夕飯は、ほとんど僕一人ですよ。それにお父さんを待ってたら僕、餓死しちゃいますもん」
「そうだよな。何時も帰り遅いもんな」などと会話をしながら食事を始めた。
「このシチュー美味いね」お世辞抜きで美味しかった。
「隠し味に、ニンニクとバターを入れてあります。それと白味噌を少し」
「へ~っ、それでこんなにコクがあるんだ。家の奥さんにも教えてやろう。あっ、そうそう、マーちゃんは来月誕生日だろ?何か欲しい物ってあるの?」
「欲しい物ですか?別に欲しい物は無いですよ」
「無い事無いだろ。何でも言って見ろよ」
「それじゃ一つあります」
「何だ?ゲームか?本か?」
「いえ、ガス代の節約にもなると思うので、圧力鍋が欲しいです」
この言葉を聞いて僕は、思わず涙が出そうになった。

つづく

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