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最終更新日:2024年04月26日
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第347話「律子さん16」

 今日は飲み会。私は仕事が終わると、待ち合わせしている居酒屋へと真っ直ぐに向かった。
店員に予約を入れたA子の名前を告げると、つい立で仕切られた小上がりに案内された。
今日のメンバーは高校の時の仲良し五人組で、全員が揃うのは、三年振り。
「久し振りね~。元気だった?あら、昔と体型が変わってないんじゃない?」と声の大きなA子が言った。
昔から声が大きく、何処に居ても構わず大声で話す。太った人って無神経なのかしらとA子を見てると良く
思う。だから太るのね。
「仕事始めたんだって?」B子が言った。相変わらずの老け顔。高校の時も男子から婆さんなんて呼ばれて
たっけ。その老け顔にも磨きがかかり、今じゃ孫の二、三人も居そうに見える。
「随分とビシッと決めてるじゃないの。仕事帰り?」唯一独身のC子。洋服のセンスは相変わらず最悪。本
人は良いと思ってる様だけど、この日も一緒に居たくないと思える程の格好。その紫色のストッキングは何
とかならないもんかしら。
「D子はまだ来てないの?」私はメンバーを一通り見回してから言った。
「子どもを塾に送ってから来るって」B子が言った。
「私、お腹ペコペコ」A子が言った。
「じゃ、先に始めちゃおう」と言ってC子は店員に全員分のビールを頼んだ。
「カンパ~イ!」全員ビールが大好き。一杯目のジョキはあっという間に空になり、C子はビールの追加を
頼んだ。
「よ~し、今日は久々に飲むぞ~っ」そうA子は言うと腕まくりをして、大根の様に白く太い腕をあらわに
すると、三杯目のジョッキを口に運んだ。
「あんた達、ビールばっかり飲んでないで、何か食べないの?」そう私が言ってると、D子がやって来た。
「ご免ご免、遅くなっちゃって」D子は見た目もごくごく普通のおばさん。だから私はこのメンバーが
好き、デブに婆さんにセンスの無い女、そして普通のおばさん。だって私が一番引き立つんだもの。
つづく

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