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最終更新日:2024年04月26日
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第392話「最後の夏」

得意先から戻った山本が言った。
「な~んかすっかり涼しくなちゃいましたね」
「お盆が過ぎりゃこんなもんだろ」加藤が言った。
「でも、何か寂しいっすよね。あのギラギラした太陽がなくなっちゃうのって」
「お前、暑い暑いって文句たれてたろうが」
「そうっすけど、やっぱ寂しいすよ。夏が終わっちゃうのって」
「そんなに夏が好きでしたっけ?ビアガーデンが閉まっちゃたから寂しがってるだけにしか見えませんけどね」女子社員が言った。
「あっ、鋭いね」
「お前、どんだけビールが好きなんだよ」
「僕の体の九十パーセントはビールでしょうね」
「脳ミソもビールだろうな」
「そうかも知れないっす」と言って山本は笑う。
「明日は休みだし、どうっすか?最後のビアガーデン行きません?」
「まだやってる処があるんですか?」と驚いた顔で聞く女子社員。
「流石に夜はもう寒いだろ」
「少し厚着をして飲むビールも中々おつなもんっすよ」
その後も山本がしつこく誘うので、根負けした二人は少しだけ付き合う事にした。
「今日は思ったより暖かいな。これなら結構いけそうだ」と言って加藤は一杯目のジョッキを飲み干した。
「そうですか?結構肌寒いですよ」と無理やり付き合わされた羽賀が、あまり好きではないビールを飲みながら恨めしそうに言った。
「いや~ビールは最高っすね~。夏バンザイ」とご機嫌な山本。
「夏は終わったって、さっき言ってたじゃないですか」と言うと女子社員も一杯目のジョッキを空けた。
この日、羽賀以外は結構な量のビールを飲んだ。
月曜日の朝、会社に山本から電話がかかってきた。
その電話を加藤が受けた。
電話をしながら何故か笑いを堪えている加藤。
電話を切った加藤に羽賀が言った。
「もしかして山本の奴、風邪でもひきましたか?」
加藤が笑いながら言った。
「いや、痛風だってよ」

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