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最終更新日:2024年04月26日
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第436話「律子さん50」

主人の友人が訪ねて来た。
「ごめんね急に来たりして」テーブルに並べられた料理の皿を見渡して、彼は済まなそうに言った。
今日は、奥さんについての悩みを主人と私に訊いて欲しいとのことだった。
彼の奥さんは、私が前に勤めていた会社の同僚だった。私が彼女を主人の友達である彼に紹介したのが始まりで、その後二人は交際を重ね、結婚したのだった。
「マユミは元気にしてる?」私は冷蔵庫から取り出したばかりの缶ビールを彼に手渡すと、奥さんについて訊ねた。
すると彼はビールを受け取りながら眉根を寄せて言った。
「元気元気。でも昔の面影は、もうないな。昔はほら、細かったろ、今は凄いよ。激太りしちゃってさ」元同僚の細身の身体が太って行く様を想像しながら、私はグビリと缶ビールを飲んだ。
「来年は子供も高校生だし、金も掛る様になるから、そろそろ働いて欲しい頃でもあるんだけどさ」溜息混じりに彼は言った。
「仕事は探しているのか?」主人が言った。
「求人誌を見たりはしてる様なんだけどさ、見てるだけで、行動は起こしてないんだよ。どこそこへ面接に行ったって話も聞かないし」
「でも、働くのは好きだと思うけどね。前の職場でもバリバリ働いてたし、楽しそうだったもん」と私が昔の彼女の姿を思い出しながら言った。
「自分でもそう言ってるんだよ。働くのは好きなはずなんだけど、今一踏ん切りがつかないんだって。でも、この先、子供の養育費とかは少し心配かなって」
「で、家でゴロゴロしてブクブク太っていくぐらいなら、健康の為にも生活の為にもどっかで働けと」私が笑いながら言う。
「その通りなんだ。でもそこまでは、さすがに言えないしな」そんな自分が情けないとでも言いたげな顔で彼は頼りなく笑った。
「どう?手段は選ばない?」
「え?手段・・?は、はい選びません。何とかできるのであれば、是非お願いします」
「じゃ簡単よ。任せなさい」私はドンと胸を叩いて力強く言った。    つづく。

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