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最終更新日:2024年04月26日
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第456話「家庭の事情」

会社での昼休み、出前で届いたラーメンを加藤が受け取ると、チャーハンが一つだけ残った。
「あれ?これ誰のだ?」
「ああ、僕のっす」と山本。
「体の調子でも悪いのか?」
ラーメンが大好きで、昼食時には毎日の様に食べてる山本に加藤が言った。
「僕も二十代後半なんで、そろそろメタボとか気を付けなきゃな~って思いましてね」贅肉が全くない腹を擦りながら山本が言った。
「それって四十代後半でラーメンを食おうとしてる俺に喧嘩売ってんのか?」ベルトのバックルに肉が少し乗った腹を擦りながら加藤が言うと、そこに羽賀が割り込んで来る。
「三十代後半でラーメンを食べようとしている俺にも喧嘩を売ってるな」
「たまに食べるのは良いじゃないっすか、普段はお二人とも愛妻弁当・・あっ!今日はどうしたんすか?弁当」山本が加藤と羽賀の机の上を見て言った。
「お前も結婚すると分かるよ。家庭には色々と事情ってものがあるんだ」加藤がしみじみとした顔で言った。
「単なる夫婦喧嘩っすよね。奥さんを怒らせて弁当作って貰えなかったとかじゃないっすか?」と山本が笑う。
「残念、今日は学校が休みだから俺の弁当も無いって事だ。一つだけ作るのも面倒なんだってさ」と加藤。
「それじゃ羽賀さんは夫婦喧嘩っすね」
「お前は、どうしてそんなに夫婦喧嘩させたいんだよ」と羽賀が笑いながら言った。
「人の不幸は蜜の味って言うじゃないっすか」と笑いながら山本は羽賀を見た。
「ご希望に添えなくて残念だったな。うちの奥さんは風邪でダウンだ」
山本は普段弁当を持参してるのに、今日はラーメンを食べてる人間をもう一人見つけた。
「あれ?常務は夫婦喧嘩っすか?そうっすよね」笑いながら山本が言った。
「まあ、当たらずとも遠からずだな。喧嘩できる方がまだましなのかも知れない」
真剣な顔をした常務の顔を見て山本の笑顔が一瞬にして消えた。
「女房がさ、昨日出て行ったんだよ」

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