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最終更新日:2024年04月26日
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第457話「深夜の電話」

深夜に友達から電話がかかってきた。
「どうしよう?」
「何が?」
「大変な事を目撃してしまった」
「何だよ、大変な事って」
「ちょっと言いにくい」
「電話してきて何言ってるんだよ。切るぞ」
「あっ、ちょっと待ってよ」
「だから何だって」
「あのさ・・あっ、やっぱちょっと・・・」
「それじゃ、お休み~」僕が電話を切ろうとすると。
「ちょっと待てって」
「お前、いくら温厚な俺でもいい加減怒るぞ!何なんだいったい」
「一言じゃ説明しにくい」
「いいよ、一言じゃなくて二言でも三言でもさ」
「今、万引きを目撃した」
「あっそうなの、それで?」
「このまま見て見ぬふりするか、怒鳴りつけて店長に突き出すか迷ってる」
「いくつぐらいの奴だ?」
「中学生。男の子」
「こんな夜遅くに中学生がウロウロしてる事自体おかしいだろ、親の顔が見たいもんだ。その子の為だ、捕まえて店に突き出してやれ、
社会の厳しさを教えてやるのが大人の義務だ」
「そうだな。お前の言う事はもっともだ。俺も本来であればそう思う」
「じゃ、何も迷う事はないじゃないか」
「実はな、一週間前にもこの店で万引きを捕まえて店長に突き出したばかりなんだよ。その時に若い店長がオロオロしてたもんだから、
まず親に連絡する様に言って、その間もその子に説教をしたんだよ。万引きは泥棒だってな。息子と同じ歳だったから、何だか黙って
られなくてさ、もし、俺の息子だったら、絶対に許さない。警察に連れて行くって事まで言ったんだ。そしたら聞いてた店長がえらく
感動してな、俺も偉そうな事を言っちまったもんだよ。その店長が今日も居るんだ」
「いいじゃないか別に二人目だって。正義を貫くべきだよ。また説教してやれよ」
友達の深い溜息が受話器を通して聞こえて来る。
「だけど、俺はどの面下げて突き出したらいいんだ?うちの息子をさ」

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