『マックオペレーター募集』週刊求人にこんな求人広告を出した。
マックと言うのはマッキントッシュと言うパソコンの通称で、世間一般で使われているパソコンは、殆どがウィンドウズであるが、広告業界ではマックが主流となっている。今回は、そのオペレーターを募集した。
特殊な業種の上、経験者優遇とした為、多くの求人を期待しなかったのだが、予想に反しての高倍率になった。だが、毎日面接をしても、どんぐりのせいくらべと言った感じで、当方の眼鏡に叶う人材には中々出会うことが出来なかった。
ある日の事、マックの経験があると言う男性の面接をした。彼の場合、ここで働きたいと言う強い意思と言うか、やる気が感じられた。今迄面接した人達の中でも、それは群を抜いており、こちらとしても、このやる気を高く評価し、採用する事とした。
一週間後、彼は出社して来た。自己紹介が終わり、担当のＡが仕事についての説明を始めた。
「マックは何年位使ってたんですか？」Ａが聞いた。
「そうですね。マックでは三年ほどパソコンを使ってました」何だか返答が変だ。
「どうでした？楽しかったですか？」
「はい。若い人達ばかりで楽しい職場でしたよ」
「えっ？職場？」
「はい。マックってマクドナルドの事ですよね」