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最終更新日:2024年04月26日
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第534話「面倒な男」

Aが時計を見ると驚いた顔で言った。
「おっ、もうこんな時間か、明日は仕事早いから先に帰るな」そう言うAの言葉を無視した様にBが言った。
「いいか、よく聞けよ、今までの話を総括するとだな、日本人の根底には性善説があって、落とし物は・・・」
「よし帰るか、明日は仕事だしな」僕も椅子から立ち上る。放って置くと朝まで続きそうだ。
「はいはい、俺はどうせ無職ですよ~だ」ふてくされた様に言うB。
「お前だって来週から仕事決まったんだろう」とA。
今日はBの就職祝いということで、仲の良い友達七人と飲み会を設けたのだが、今いる店で三軒目、残っているのは僕等三人だけだ。
「俺はまだ帰らん」とB。
「ちょっと、こんな面倒くさいの置いてかないでよ」店のママが困った顔で言う。
「何だよ客に向かって面倒くさいって」Bが言った。
「いつまでもウジウジしてさ、自分の不注意だから仕方ないでしょう。もう一度交番に行って来な、届いてるかも知れないから」ママがそう言った時に店のドア
が開いて客が入って来た。
「これ、店の前に落ちてたんだけどさ、誰かお客さんのじゃない?」と言ってママに財布を渡す。
「ほら、あったじゃないの」と言ってママが財布を渡そうとすると、Bは言った。
「ちょっと待て、それが俺の財布である証拠を確かめなきゃダメだ」
「えっ?あんたのじゃないの?」と驚くママ。
「多分俺のだとは思うけど、ちゃんと確認しないとな。まず財布を開くとカードを入れるポケットがあるだろ、そのポケットの左から二番目の列の一番上の段に
運転免許証が入ってるから、俺の名前と生年月日が合ってるか確認するんだ。今から言うぞ、いいか?名前は」
「あんたバカじゃないの?その面倒くさい性格を早く直しなさいよ。だから女房に捨てられるんだよ」
「ママ、そりゃちょっと酷くないか?何もそこまで」と今来た客がBに同情する。
「ふん、元女房の私が言うんだから間違いないよ」

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