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最終更新日:2024年04月26日
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第687話「今年の正月は1」

隣りに住む祖父の古くからの友人である、源じいこと源造さんが言った。
「年々正月らしさが無くなっていくな~」
「そうだな、店屋がやってるからかな?」熱燗を一口飲むと、祖父が言った。
「店屋?」と不思議そうな顔をするアタル。
「何々商店とかは、もう殆どないから、そうだな~今じゃスーパーかな、それとコンビニとか」と父。
「昔は正月三が日ったら、どこもかしこも、み~んな休みだったもんだ」と祖父。
「凧あげしたり、カルタやったりな、楽しかったもんだよ」と父。
「それでも家は、正月になると何だかんだと人が集まって来てたけど、今年は源造とアタルぐらいだもんな。
健太も来んし、益々正月らしさが無くなっちまった」と寂しそうな顔の祖父。
「今年はしゃ~ないっしょ」と言いながら、アタルは源じいに酌をする。
「お前、彼女は?」酌を受けながら源じいがアタルの顔を見る。
「今年こそは作りたいよね」
「な~んだ居ないのか、情けない奴だな。おい、彼女の作り方教えてやれ」と僕に振る源じい。
「いやいや、俺なんか源じいの足元にも及ばないよ」と僕が笑う。
「本当だな、次から次と彼女こしらえて女房を泣かしてたからな」と祖父が笑う。
「忘れたよ、遠い昔の事だ」
「何かそんな感じがせんな、つい最近の出来事だった様な気がする」と祖父。
「よくお前は、俺が女癖悪かったって言うけど、人の事言えんのか?」と意味ありげな事を言う源じい。
「お前程じゃないが、ちょこっとだけあったかもな」
「へ~爺ちゃんも浮気した事あるんだ」
「そうそう憶えてるぞ、一番ひどかったのは、お袋にひと月ぐらい無視されてたっけな」と父が笑う。
「三ヶ月だ!」と祖父。
「親父もだよな、俺が小学生の時」と今度は僕が笑う。
「あの時は半年無視された」
「へ~っ、婆ちゃんよりお袋の方がキツイんだ」
「そうだ!」と父と祖父は同時に頷いた。つづく。

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