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最終更新日:2024年04月26日
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第288話 「律子さん4」

 主人は少し困った顔をして言った。
「どんな犬なら良いんだよ」
「ヨーゼフなんか良いんじゃない?大きくて」
「ヨーゼフってアルプスの少女ハイジに出て来るやつか?」私は黙って頷いた。
「あれってセントバーナードだろ。無理だよ、あんな大きいの」
「じゃ、他の大型犬」
「何で大型犬にこだわるんだよ。犬舎だって必要になって来るだろうし餌だってたくさん食うし、散歩だって大変だよ。それに何処で飼うんだよ」
確かに主人の言う通りだ。大型犬を飼う事がそんなに大変だとは知らなかった。その日は犬を飼う事を保留にして今後どんな犬を飼うか二人で話し合いながら決める事にした。何日かして、主人が友達から犬を預った。
「何が犬よ!子牛じゃない」
「牛じゃないよ犬だよ。グレートデーンって言うんだ」確かに蹄は無い。
「痩せたホルスタインって感じね」
何故か立ち上がって、私の両肩に前足を乗せている。私の顔はちょうど犬の胸の辺り。
「何でこの人立ってる訳?」
「君の事が気に入った様だ」笑いながら主人が言った。
「犬小屋はどうするの?」
「家の中で飼ってるんだってさ。トイレもしつけしてあるから大丈夫だよ。君が大型犬を飼いたいって言ってたから、一度経験させてあげたくてね。それにこいつは大人しいから君にだって散歩ができるよ」
ちょっと散歩をしている自分を想像して見る。中々良いかも。預ってみると、トイレはちゃんとペットシートの上でするが、ウンチがハンパじゃないくらいに大きい。餌も食べるけど、ウンチの大きさまでは計算しなかった。名前はジェームス。グレートデーンならぬジェームスディーンだそうだ。朝五時に起きると、ジェームスと一緒にランニング。中々良い感じ。朝もやの中をゆっくりと走る二人の姿は、まるで映画のワンシーンの様。その時、私達の前を猫が横切ったと思った瞬間にジェームスが突然猛ダッシュ。私はこの時、生まれて初めて空を飛んだ。

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