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最終更新日:2024年04月26日
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第246話 「マーちゃん14」

友達の家に行くと、息子である小学五年生のマーちゃんが迎えてくれた。
「久し振りだな。元気だったか?マーちゃん」
「はい、体は元気なんですが、メンタルの面で少し」
「メンタルってまた随分と難しい言葉を使うな。お父さんと喧嘩でもしたか?」
「最近、仕事が終わるのが遅すぎるんですよ」
「遅すぎるって仕事だろ」
「仕事じゃない様に思うんですよ・・・女性の影が見え隠れするんです」
友達がマーちゃんの母親である奥さんと離婚してから、もう十年近くなろうとしている。そろそろ浮いた話しがあっても不思議ではなかった。
「彼女ができたってか!お父さんに確認した?」
「いえ、言いにくくて」
「そっか、俺の方からそれとなく聞いておくよ」
「お願いします」
「もしも、もしもだけどさ、マーちゃんに新しいお母さんができたらどうする?」
「タダの同居人でしかありません。僕にとってお母さんは一人しか居ませんから」
ちょうどその時に父親である友達が帰って来た。それも羨ましいくらいの若い女性と一緒に。マーちゃんの顔色が一瞬にして変わった。僕も何だか面白くない。
「おっ、お前来てたのか。ちょうど良いや」と友達。
「なんだよ。随分といきなりだな。マーちゃんの事も考えないで。こういう事は段取りってもんが大切だろ」
僕がこう言うと、友達と女性は、驚いた様に僕を見た。
「そうなんだ。よく分かるな。段取りが大切なんだよ」
マーちゃんは今にも泣き出しそうな顔をしている。
「このコは会社の事務員でな、今度結婚する事になってさ、社内結婚なんだ」
「結婚?もうそこ迄話しが進んでるのか!」思わず声を荒げる僕。
それを見た友達は笑いながら言った。
「お前何か勘違いしてないか?相手は俺じゃないぞ。俺の部下だよ。何でも新郎に内緒でサプライズ婚ってのをやりたいらしくて、俺が相談に乗ってたんだよ」
僕がマーちゃんを見ると、体裁が悪いのか、真っ赤な顔でうつむきながら言った。
「僕お茶入れて来ますね」

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