求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月26日
最終更新日:2024年04月26日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第270話 「受験生・後編」

第270話 「受験生・後編」

長男と面と向かって真剣に話すのは、これが初めてかも知れない。自分より少し背が高くなった長男を見て、頼もしくなったと感じながら加藤は言った。「俺はお前の父親で、お前の事は良く知っているつもりだ。お前の言う仕方ってのがどんなものか、是非聞きたいもんだ。俺が納得したらお前の勉強の仕方を認めてやるよ。もし納得出来なかったら、俺の言う通りにして貰うからな」
「うん、分かった。俺はさ、ズバリ言って短期集中型なんだ」
「短期集中型?・・・それって単に山を張るって事なんじゃないか?」
長男は、ハッとした顔で加藤を見ると少し慌てた口調で言った。「ち、違うよ。とつレンズの焦点見たいなもんさ」
「何だそれ?」
「太陽の下にただレンズを置いても火は着かないでしょ?レンズの光を一点に集中させる事で火が着くんだ。俺の場合、勉強もそれと一緒って事だよ。問題は中身さ、長い時間勉強しても中身がなけりゃ、やってないのと同じなんだよ。毎日コツコツと勉強する奴もいれば、俺みたいに短期間に集中してする奴もいる。勉強の仕方なんて千差万別で正しい勉強の仕方って無いんだと思うな。仕事だってそうじゃない?最後に結果を出せば良いんじゃないかな」これだけの事を言い切るには余程の自信なんだろう。それは、学校の成績で結果は出ている。
「よし分かった。お前がそこ迄言うんだったら、その短期集中型に賭けて見ようじゃないか。要は受験勉強をするには、まだ早いって事なんだな」
「そう、まだ時期尚早ってやつだね」
ここ迄言う長男を加藤は信用する事にした。
その後月日が流れ、年末近くになって、しびれを切らせた加藤が言った。「おい、大丈夫なのか?受験の方は・・・」
「合格するかどうかは分からないけど、ハッキリしてる事が一つだけがあるよ」
「何だ?」
「勉強するには、もう遅いってこと」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態