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最終更新日:2024年04月26日
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第570話「律子さん77」

庭の手入れをしていると母がやって来た。
「今年は随分と寒いよね。お父さんも風邪気味でさ」
「えっ?大丈夫なの?」
身体があまり丈夫ではない父だけに心配になった。
「大袈裟だからさ、直ぐに病院に行くし、安静にしてるから大丈夫じゃない?」
「昔からそうだったもんね。逆にそれが良いのか」
「まあ、良い様な悪い様なだね」とため息交じりの母。
「この辺で一休みしない?アイス買って来たから」
「何でよ。今、今年は随分と寒いって言ってたのに」
「家の中で食べるんだから関係ないでしょ、それに私が食べたかったの、アイス」
家の中に入って上着を脱ぐと、母はコンビニの袋をテーブルの上に置いた。
「シュークリームのアイス。これ私大好きでさ、ほとんど毎日食べてるの。あんたシュークリーム好きだから、ちょうど良いかと思ってさ」
「あら、美味しそうだね。お茶でも入れる?」
「そうだね。あっ、でもアイスを食べながらお茶を飲むって変だよね。冷たかったり熱かったりで胃がビックリしちゃうかも」
「じゃ、お茶やめとく?」
「そうだね」と言って母は袋からアイスを取り出した。随分いっぱい入ってる様だ。
結局、私と母はアイスを二個づつ食べた。
「何だか寒くない?」と母。
「アイス食べたら寒くなっちゃったね」私は暖房のスイッチを入れた。
しばらく母と雑談してると、出先から主人が戻った。
「うわっ!ちょっと暑くない?この部屋」いつの間にか部屋の温度がかなり上がっていた。
私は慌てて暖房のスイッチを切った。
その時、電話がなった。
「あら、お父さん。うん来てるよ。そうそう風邪引いたんだって?大丈夫?」
父はひどく鼻のつまった声で言った。
「最近、母さんが家の中の暖房をつけたり消したりするもんだから、部屋の温度も上がったり下がったりで、すっかり体調崩してな。もしかして、母さんは更年期じゃないか?」
「何でそう思うの?」
「きっと、体温調節が上手くできなくなってるんじゃないか?更年期といっても人それぞれ症状が違うみたいだし、歳をとってからなる人もいるみたいだから」
父の疑問に私はキッパリと言った。
「絶対違うと思う」

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