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最終更新日:2024年04月26日
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第572話「不自然な会話」

今日は、いつもより遅く裏の家の孫である四歳児の健太がやって来た。
「リンの家に行ってきたから遅くなった」と言いながら、いつもの様に青いリュックを肩から外した。
「リンって田中の婆さんのところか?」
「うん?そうかな?」
「婆さん元気だったか?」
「うん、元気だった。しわしわで可愛いかった」それを聞いた祖父は笑いながら。
「そっか?可愛いか・・・昔はもっと元気で可愛かったんだぞ」
「いつも元気で走り回ってたっておばさん言ってた」
「飛び回ってたって事だな、旅行が好きだったからな」
「迷子にならなかったの?」
「お前と違う」と言って大笑いする祖父。
「これ、リンの家のおばさんに貰った」と言って健太は、嬉しそうにビニール袋からお菓子を取り出した。
「何で田中さんの家に行ったの?」僕が訊く。
「家の中のリンが見えたから可愛いな~って見てたら、おばさんが来てジュースあるよって言ったから」
「お前、変だぞ。八十過ぎの婆さん見て可愛いって」
「えっ?そうなのか?そんな長生きだったのか。じゃ、おばさんよりも年上?」
「あたり前だろ、おばさんは、あそこの家の嫁だ」
「嫁?リンの?」
「リンの息子の嫁だ。それにお前、呼び捨てはダメだぞ、お前よりず~っと歳上なんだから」
「でも、おばさんもリンって呼んでるよ」
「そんな訳ないだろ、お母さんって呼んでるはずだ」
「お母さんじゃないよ、犬だし」とゲラゲラ笑う健太。
「犬?犬って何だ?お前どこの家の事言ってんだ?」
「そっか田中さんじゃなくて鈴木さんか、パグ飼ってるもんな」と僕が笑うと、二人も納得して笑い出した。
「リクも可愛いよね」
「陸ったら、佐藤さんとこの孫だな?そんな可愛いって歳だったか?」
「えっ?誰の孫?」
「誰のって佐々木の爺さんの孫だろう」
「ちが~う、猫!猫の事」
今日の二人の会話は、何処までいってもかみ合わない。

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