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最終更新日:2024年04月25日
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第595話「マーちゃん52」

友達の息子である小学五年生のマーちゃんに、お年玉を渡した。
「いつもお世話になっているのに、こんなことまでして頂いてありがとうございます」親に似ず、しっかりし過ぎるほどしっかりしてるのがマーちゃんである。
「欲しい物は買えそうか?」と僕が訊く。
「はい、おかげ様で。残りは貯金します」マーちゃんらしい堅実な応えだ。
「使っちゃえばいいのに」ぼそりと友達が言うと。
「親があてにならないので、将来の為に貯金します」
「それって、もしかして俺の事か?」
「他に誰がいるんですか?」
「おいおい、ちょっと酷くないか?俺だってちゃんと考えてるんだぞ」
「具体的にどういったことですか?」
「いや、だから積立てとか学資保険とか色々考えてるんだから」
「学資保険は知ってますが、積立てって何ですか?通帳からは引かれてないみたいですけどね」シラーっとした顔で父親の顔を見るマーちゃん。
父子家庭であるこの家のやり繰りはマーちゃんがしているので、金の出入りはマーちゃんが全部把握している。
「月々の俺の小遣いから積立ててるんだよ」と友達は自分の部屋から通帳を持って来て、どうだと言わんばかりにマーちゃんに見せる。
「あっ、本当だ。でも最近の入金は二年前で、その後は利息だけじゃないですか。これ見て下さい」とマーちゃんに渡された通帳を見るが、少ないとはいわないまでも多いとはいえない。
それに、二年前から入金がない状態では決して威張れたものでもない。
嫌な予感がする。そろそろ帰ろうか。
マーちゃんに突っ込まれて旗色が悪くなって来たからなのか、友達が子供の様な言い訳をする。
「こ、今年からまたやるんだよ」そんな父親の言葉を尻目に、マーちゃんは黙って立ち上がるのと同時に、大きなため息を一つついてから、自分の部屋へと向かった。 つづく。

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