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最終更新日:2024年04月19日
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第597話「インフルエンザ」

山本がマスクをして出勤した。
「おっ?風邪か?」と羽賀。
「そうなんすよ。昨日の午後から寒気がして」
「熱はあるのか?」
「はい、微熱ですけど。後で病院に行って来ます」
「分かった。でも、インフルエンザじゃないよな」
「じゃないと思いますけど、調べてもらうっすね」
「インフルエンザだったらヤバイな、マスクしとこう」
慌てて会社の買い置きマスクをする羽賀。
「みなさ~ん。山本がインフルエンザっぽいですよ~。マスクしましょう~」と羽賀が社員全員にマスクを配り出す。
「まだそうと決まった訳じゃないっすよ」と山本は苦笑いをする。
午後になると、山本の熱がかなり上がってきている様で、病院に寄ってから早退する事になった。
しばらくして山本から加藤に電話が来て、ただの風邪だと判明した。
「風邪か、脅かしやがって」とマスクをとる羽賀。
「今年はまだ誰もかかってないんだよな」と笑う加藤。
「そうですね。でも、去年も一昨年も羽賀さんが菌を持ち込んだんですよ。マスクもしないでゲホゲホするから、皆が迷惑したんですよ」女子社員は、思い出した様に文句を言う。
「そうだったな。その癖、人の風邪にはうるさいんだよな。最低だな」加藤と女子社員がそう話すそばから、咳をしだす羽賀。
「ほらまただ」と笑う加藤。
「えっ?ちょっと加藤さん。顔、赤くないですか?」不安気な顔をする女子社員。
「えっ?マジか?」と加藤。
「何だか寒気がする」
三年連続で聞く羽賀のこの言葉に、過去二年続いた悪夢が全員の脳裏をかすめる。
重い空気が漂う中、女子社員の怒鳴り声が響く。
「早く、病院に行って!」
日暮れ時、診察を終えた羽賀からの電話に出た加藤に、全員の視線が集中する。
「インフルエンザだ」加藤は受話器を置いてそう言うと、マスクを口にあて、観念した様にポツリと言った。
「もう手遅れかもな・・・ゲホゲホ」

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