昔まだ会社に入社したての頃、口うるさい先輩の女子社員が居た。俗に言うお局様と言うやつで、女子社員はもとより、男性社員にも煙たがられていた。
仕事は凄く出来る人で、上司も一目置いていた。
ある日、彼女が僕の顔を何故かジロジロと見ている。
また何かイヤミでも言われるのではないかと思い、目を会わさない様に仕事をしていると。
「女心を分かってない男が多すぎるわね」と溜息混じりに彼女が言った。
「どこか変わったと思わない？」と言って髪の毛をしきりに触っている。
「あっ！もしかして頭切りました？」僕が言うと。
「バッカじゃないのあんた。頭切ってどうすんのよ！」
と言った後に。
「髪よ髪。鈍いわね。あなた彼女にもそうなの？ダメよそんなんじゃ。女は絶えず自分に興味を持って欲しいものなのよ」
なぜ僕が貴方に興味を持たねばならないのか？と思いつつも。面倒なので「そうですか。気を付けます」と言って何とかその場を逃れる。
それから暫くして、彼女がまた髪を切った。それを見て僕はすかさず言った。
「あっ！良いっすね。髪切ったんですね」
「ほっといてよ！」と、今度は思いっきり怒鳴られた。
どうやら今回の髪型は失敗だったらしい。
一体どうしろと・・・。