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最終更新日:2024年04月26日
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第611話「甘党と辛党と」

隣りの家の孫である四歳児の健太が遊びに来た。
「おお、来たか。源造はどうした?」
「源じいは、ばんば行った」
「お前も連れて行ってもらえばよかったのに」
「俺はここで爺ちゃんと一緒に居る方が楽しい」
「またまたお前は、そんな事言って~」と祖父は目を細めて健太の頭を撫でる。
僕の方を見てニッと笑っているこの顔は、四歳にして処世術を身に付けている健太ならではの笑顔だ。
いつもの場所に、着替えやらおもちゃの入ったリュックをドンと降ろす。
「もられ物だけど、甘いから源じいが持ってけって」健太はお菓子の入った箱を祖父に渡した。
「どれどれ貰いものか、おっ最中だな、随分あるな。あいつは甘いもんが苦手だからな」と祖父が笑う。
「うん、見るのも嫌だって」
「そうか。ほれ、一つ食うか?」と健太に勧める。
「俺、辛党だから」と健太。
「そうか、辛党なのか。じゃ、ケーキとかドーナツはもう食べないんだな?」
「えっ?どうして?」
「辛党ってのは、甘い物が嫌いだって事だ。ケーキもドーナツも甘いからな」
「そうなのか・・・。俺は源じいと違って、本当は辛党じゃないんだ」新しく覚えた言葉を使ってみたかった健太が、慌てて最中を一つ手にする。
「じゃ、俺と一緒で甘党だな」祖父と健太が最中を美味そうに食べ始めた。
「そう、甘党だ。だから最中も好きなんだ」
「甘党と辛党の他は何て言うの?すっぱいのが好きな人は、すっぱ党?」
「そうは言わん。甘党、辛党だけだな」と祖父が笑う。
テレビではニュースの時間になり、健太は暫くの間、レゴブロックを祖父と楽しそうに組み立てていが、急にテレビを見て叫んだ。
「ほら、やっぱり他にもあった!今、じみん党っていった!ねえねえ、じみん党は何が嫌いなの?」
「えっ?自民党が嫌いなものって何だ?野党かな?」

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