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最終更新日:2024年04月19日
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第640話「プリキュア2」

源じいが健太の元気がない原因について説明すると。
「そうか、そういう事だったのか」と納得する祖父。
「皆と離れるのが嫌らしい」
「でも、良い話じゃない。札幌の店長なんてさ」と僕。
「そうなんだけどな、健太の事もあるけど、まあ、あいつなりに札幌じゃ色々あったからな、なかなか踏ん切りがつかんのだろう」
「別れた旦那の事か?」
「それもあるだろうな」
「そんな事気にしなくたっていいのにな」
「まあ、とにかく色々あるんだろうよ」
「色々あんのは、お前の方だ」と祖父が笑う。
「確かにそうかもな」と一緒に笑う源じい。
「そっか、健太が居なくなるかも知れんのか・・・。寂しくなるな」
「この話を聞いてから、ずっと元気がないんだ」
「大丈夫だ、最初だけだって、子供は順応性が高いから時間が経てば、こっちの事なんて忘れるよ」と祖父。
「そうなんだろうが、見てると可哀想になってな」
健太の元気がない原因は分かったが、真剣にプリキュアを見ていたのはどうしてだろう?何か他に意味があるんじゃないかと思った。
その時、源じいの携帯が鳴った。
「今?隣に健太を迎えに来たとこだ。俺が来たらどっか逃げちまった。えっ?そうか、お前は本当にそれで良かったのか?そうか、健太にも伝えておくから」携帯を仕舞うと源じいは嬉しそうに言った。
「娘からでな、札幌行きは断ったそうだ」
ドドドドという足音と共に健太が走って来た。
「な、なんちゅう顔・・・」祖父の驚く声と共に、僕らは一瞬固まる。
健太は父が忘年会の余興に使った赤毛のかつらを被り、まぶたにはクレヨンでまつ毛が描かれ、唇も真っ赤に塗られていた。
そして健太は泣きながら叫んだ。
「ここのおばさんは、女の子が欲しかったって言ってたから、今日から俺は女になってここの子になる。プリキュアだって見るんだ! そらにかがやくキラキラぼし! キュアスター!」

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