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最終更新日:2024年03月29日
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第672話「マーちゃん67」

今日はマーちゃんの大好きなたい焼きを買って来た。
マーちゃんとは友達の一人息子で小学五年生。子供とは思えないほどの思考力と、大人顔負けの言葉も使うので、時々小学生だという事を忘れる。
今日は父親である友達は居ない様だが、リビングからは声が聞こえる。
リビングのドアを開けるとクラスメイトのユイちゃんが居た。
「こんにちは、お邪魔してます。ここの家の人じゃないのにお邪魔しますは変か」
「いや、良いんだよ。ここの人みたいなものだから」とマーちゃんが笑う。
「こっちこそお邪魔だったかな?」と僕が笑う。
「はい、少し」と素直に応えるユイちゃん。相変わらずはっきりした子だ。
「ああ!ちょど良かったじゃん!訊いてみたら?」とユイちゃんが僕の方を指差して叫ぶと、マーちゃんは無言で頷いてから言った。
「僕ってジジくさいです?」
「なんだよいきなり」
「学校の皆がそう言うもので、大人の人は僕の事をどう捉えているのかと思いまして・・・」真剣な顔をして訊いて来るマーちゃん。
「ジジくさくなんかないよ」
「じゃ、何で皆はそう呼ぶんでしょう?」
「マーちゃんの考えが大人っぽいからじゃないか?その事でイジメられたりしてるわけじゃないよな?」
「はい、それはないです」
「でも嫌なら嫌ってハッキリ言った方が良いと思うな」
「はい、そのつもりです」
「だからさ、それじゃダメなんだって、マー君あまあま。そんなんじゃ調子に乗せるだけだよ。やられたらやり返さないと」
「僕は別に何かされたわけじゃないんだよ」
「でもやり返さなきゃダメ。やられたら倍返しだよ!あっ!ちょっとトイレ」急にバタバタと部屋を出て行くユイちゃん。
「・・・何だよ、半沢直樹ゴッコでもしてたん?」
「まさか」
「じゃ、何だよ」
「それが分からないから困ってるんです。五年一組の不思議ちゃんって言われてる子ですから」   つづく

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