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最終更新日:2024年04月26日
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第269話 「受験生・前編」

子だくさんの加藤には、今年高校入試を控えている長男がいる。中三になったばかりの時に勉強をさっぱりしないでゲームばかりしている長男に加藤が言った。「高校に行くか行かないかは、お前の勝手だけど、どうするんだ?」
「今時、高校ぐらい出ておかないと、将来ヤバイんじゃないの?」ゲームのコントローラーを持ち、真剣な顔でテレビ画面を見ながら長男が言った。
「随分と他人事みたいに言うじゃないか。お前自身の事だぞ!」加藤は少し声を荒げて言った。
「分かってるってそんな事」投げやりに答える長男。
「だったら勉強しなくちゃダメだろ」「まだ先の話じゃん。あっ、おっと、危ない」ゲームをやりながら答える長男。
「まだってお前、本気で言ってるのか?来春だぞ一年しかないんだぞ!今やらないでいつやるんだ!」ほとんど切れ気味の加藤。
そんな父親を見て長男はゲームのスイッチを消すと、少し笑みを浮かべ、加藤を諭す様な口調で喋り出した。
「人にはそれぞれ勉強の仕方ってのがあるんだよ。父さんも昔を思い出して見たら?父さんなりの勉強の仕方ってあったでしょ?爺ちゃんや婆ちゃんにも勉強しろって言われただろうけど、ちゃんと自分のペースを守って勉強してたでしょ?」
「うん、まあそうだな」
「俺だって同じだよ。俺には俺の仕方があるんだ」
「ほ~っ仕方ね、ゲームのコントローラーを操作しながら方程式を解くとか、漫画を読みながら、英単語を憶えるとかか?」
「そんなイヤミを言わなくても良いじゃん。俺はちゃんと話そうと思ってるんだからさ」
「お前の勉強の仕方についてって事か?」
「そう、もし父さんが俺の勉強の仕方が間違ってるって言うんだったら、俺は父さんの言う事に従うよ。でもこれだけは頭に入れておいてよ、俺勉強じゃ今迄学年でもトップクラスだったって事をね」加藤は黙って頷くと、長男の意見を聞く事にした。

つづく

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