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最終更新日:2024年04月26日
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第437話「律子さん51」

久し振りに元同僚の家へとやって来た。結婚して直ぐに建てたマイホーム。
芝のある庭と小さな花壇。休みの日には家族でバーベキュー。それが彼女の夢だったはず・・・・。
ベランダ前の芝と思われる場所は、腰までもある雑草に覆われ、何年も前に植えられただろう花壇には、茶色くなった植物が土の上にべったりと貼り付いている。
彼女が理想とする庭とは程遠いものがそこにあった。
インターフォンを押すと、元同僚のマユミが元気な声でドアを開けた。
「会いたかったよ~ん律子」
「私も、久し振りだね」
「わ~律子って変らないね」
「マユミは変わったね。どうしたの?これ」私はマユミのブヨブヨのお腹を指でツンツンしながら言った。
「三食昼寝付でゴロゴロしてたらこんなになっちゃった~」とのん気に笑う。
庭とは違って、以外にも部屋は綺麗に片付いていた。
「少し庭の手入れとかして身体を動かしたら?」
「最初の頃はやってたんだよ。太っちゃってからは、身体を動かすのが面倒でさ」
「典型的なデブの良い訳ね」
「うん、自分でもそう思う」
久し振りに会うマユミは体型以外、昔のままだった。
私達は会わなかった年月を取り戻すかの様に、とても長い時間、会話を楽しんだ。
帰り際に私は、思い出した様に言った。
「今の私が勤めてる会社ってマユミの旦那の会社とも取引があるんだけどね、でもどうしよう・・・・」
「何よ、気になるじゃない」
「旦那には絶対に言っちゃダメだよ。噂だし、いずれハッキリするはずだから」
それから二週間が過ぎた。マユミの旦那が嬉しそうにしながらやって来た。
「先週から仕事に行ってるんだよ。何て言ってその気にさせたの?花壇も整備してたし、最近妙に優しいし」
「簡単よ。スイッチを入れただけ。彼女って追い込まれないと力を発揮しないの。でも一旦スイッチが入ると、とことん行くから、あなたもボヤボヤしてられないわよ」
「で、なんて言ったの?」
「あんたの旦那の会社が潰れそうだって」

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