彼の訴えは更に続く。
「お父さんに四年後の世界を想像できますか？今の時代、もの凄い速さで世界は動いているんですよ。お父さんが子どもの頃とは比較にならないほどね」
「うん、確かにそうだ」僕も納得させられた。
「仮に僕が中学生になってパソコンを買ってもらっても、もう遅いんです。周りの人達は当たり前の様にパソコンを使いこなしているでしょうし、その時点で僕は人より遅れてしまいます。人より一歩先に進んでいなければ、これからの人生は戦えないんです」
僕は思わず手を叩いた。
「これからの僕達の時代は、パソコンぐらい使えて当たり前、そういった時代が直ぐそこまで来てるんです」
「おい、お前パソコン買ってやれよ」僕は言った「マーちゃんはそこ迄考えているのか」と僕が言うと、「はい、当然です」友達も息子の熱弁に負け、パソコンを買うことになった。
三ヶ月後、友達の家で再びマーちゃんに会った。パソコンについて聞いてみる。
「あれは、つまりません。今後は、もっと進化したものができるでしょうから、あんな物に時間を掛けるのは全くの無駄ですね」
早い話、飽きたってことね。
「お父さん。クリスマスはＤＳを買って下さい。子どもだって友達同士のコミュニケーションは・・・」
流石に今度は親父のゲンコツが息子の頭に炸裂した。