求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月26日
最終更新日:2024年04月26日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第291話 「犯罪者誕生?」

第291話 「犯罪者誕生?」

 失業中のAと一緒に飲もうとBが誘って来た。仕事が中々見つからず、かなり落ち込んでいるとの事だ。
「お前さ、贅沢ばっか言ってっから見つからないんじゃないのか?」Bが言った。
「贅沢なんて言ってないよ。給料だって取り合えず食って行ければ良いし、ボーナスだっていらない。とにかく安定した収入があれば給料なんて少なくても構わないんだ」と言うA。
「前の会社も給料安いのによく働いてたもんな」と僕。
「一生懸命働いたのに倒産だもんな」とB。
「今だってやる気は誰にも負けない自信はあるのに面接に受からないんだよな。この間も、一週間だけ無賃金で良いから働かせてくれって頼んだんだよ。その後採用するかどか決めてくれって頼んだんだけど、法的にそれは無理だとか抜かしやがってよ」と酒を煽る様にして飲むA。
「最初はさ、面接で落とされるのも自分が悪い、自分が不甲斐ないからだって思ってたんだけど、最近ちょっと考えが変わった」
「どういう風に?」と僕。
「仕事を見つけられないのは俺のせいじゃなくて、世間が悪いんだよ。一生懸命働こうとしている俺の気持ちを誰も分かっちゃくれない。世の中が、人間が嫌いだ。世の中をメチャクチャにしてやりたいってな」と鬼気迫る形相でAは言った。
「・・・」凍りつくBと僕。でもAのこの時の顔を僕は前にも一度見た事があった。でも何処だったか・・・。
「犯罪者ってこうして生まれるのか・・・」とB。
その後、僕とBは知り合いの処を片っ端から当たってAの就職先を探した。そんな中、東京に住むBの友達の会社の出張所がこっちにあって、人を欲しがってるとの事だったので、直ぐに面接。見事Aは採用された。後日、Bから電話が来た。
「俺さ、思い出したんだ。あの時のAの顔、何処かで見たと思ったら、あいつ演劇部でさ・・」とBが言い掛けた時、僕も思い出した。
「ベニスの商人役の時の顔」
「そうなんだよ。俺達まんまとハメられたな」と笑いながらBは言った。

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態