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最終更新日:2024年04月19日
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第439話「暑い日の出来事」

ジリジリと照りつける太陽の元、植木の手入れをしながら祖父が言った。
「去年も言ってたと思うけど、今年は暑いな」
「毎年、今年は異常気象だって言ってるよね」去年、夕涼み用に買ったベンチに腰かけ、ガリガリ君を食べながら僕は言った。
「俺にもガリガリ君くれ」祖父は僕の横に腰かけ、麦わら帽子を脱いで言った。
僕は冷蔵庫からガリガリ君を取り出すと祖父に渡した。
「まだあるのか?」
「あるある、こう天気が続くと売り切れちゃうからさ。たっぷり買いだめしてある」
「そっか、夏はガリガリ君に限るな」と言って嬉しそうに笑う祖父。
「そうだね。暑い日は、ちゃんと水分を取らなきゃね。熱中症とか怖いから」
「けっこう年寄りがそれで死んでるから気を付けんとな。よし、次は雑草でも取るか」ガリガリ君を食べ終わった祖父は、麦わら帽子をかぶると、作業を再開した。僕が家に入ろうとすると、ソフトクリームを食べながら父が何処からか帰って来た。手にはコンビニの袋を持っている。
「暑いな、ほれ」と言ってコンビニの袋を僕に渡す。中にはソフトクリームが二個入っていた。
「おっ、それも美味そうだな。どれどれご馳走さん」と言って祖父は再びベンチに腰を下ろした。祖父と父と僕の三人が並んで腰かけ、ソフトを食べた。
その後、間もなくして、母が三角に切った西瓜を皿に盛り付けて持って来た。僕等三人は西瓜が大好きだ。
「でも、ちょっと水分の取り過ぎじゃないか?」と僕は言うが、二人の耳に僕の声は届かない。幸せそうな顔で西瓜にかぶりつく。
「昔は一人で一玉食った事がある」と訳の分からない自慢をしながら西瓜を食べる祖父。僕はこれ以上食べると危険だと感じ、やめておいた。
それからし暫くして・・・。
「お~い!俺を誰だと思ってるんだ!高齢者だぞ!高齢者!高齢者っていうのはな、しまりが悪いんだ」中に居る父に向って、祖父はトイレのドアを叩き続けた。

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