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最終更新日:2024年03月29日
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第541話「マーちゃん43」

マーちゃんは友達の息子で、小学五年生。とても礼儀正しく、目上の者には必ず敬語を使う。
玄関を開けると、マーちゃんが迎えてくれた。
友達はまだ仕事から戻ってない様で。玄関には女の子用の小さな靴があった。
「彼女か?」僕は笑いながら小声で訊いた。
「そんなんじゃないですよ」居間にはマーちゃんと同じ年頃の女の子がいた。
何だかおっとりしてるというか、ほんわかとしていて育ちの良さそうな子だ。
「同じクラスの結衣ちゃんです」マーちゃんが言った。
女の子は僕を見るなりペコリとお辞儀をして言った。
「お父さんですね。初めまして、お邪魔してます」
「違うよ。お父さんじゃなくて、お父さんのお友達だよ」と言って慌ててマーちゃんが僕を紹介する。
「もう一人のお父さんっていってもいいかな」
「えっ?どっちの子供か分からないってこと?ふしだら?」驚いた顔でマーちゃんと僕を見るユイは、顔に似合わず言葉がきつい様だ。
「そうじゃなくて、僕のお父さん以上にお世話になってるって意味だよ」
「ふ~ん、そういうこと」ユイは興味を無くしたのか、無表情な顔で頷いた。
「お邪魔しちゃったかな?」
僕が言うと、ユイはおっとりとした口調で言った。
「マー君と遊ぶのは、かなり倍率が高いんです。だから本当は二人で遊んでいたかったんですけど、それって私の我がままだから気にしなくていい
です」ほんわかした雰囲気の中に、何とも言えない威圧感がある。
「お、お父さんもさ、もうすぐ帰って来くるしさ」少し照れた様子のマーちゃん。
「ああ、ほらケーキ買って来たからさ、ユイちゃんも一緒に食べよっか」小生意気な事を言ってても所詮は小学生。パッと笑顔になってケーキを食
べだした。
「ユイちゃんって誰のファンなの?」僕が訊く。
「渋い人が好きです。北大路欣也とか」
「き、北大路欣也?」てっきりジャニーズがくると思ったのだが、やっぱりこの子変わってる。 つづく

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