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最終更新日:2024年04月19日
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第679話「遠山のライダー」

今日は日曜日、隣りの家の源造さんの孫である健太が遊びに来ている。
「金魚でっかくなったな~」水槽を見て健太が言った。
源造さんのところで増えた金魚を祖父が数匹貰い受け、飼っているものだ。
「これってまだ子供?」
「ああ、まだ子供だ。健太くらいかもな」
「俺と同じなのに、ご両親と別れて可哀想だ」祖父と僕は思わず笑い出す。
「何だお前、ご両親なんて言葉、どこで覚えたんだ?」
「保育園の先生が言ってた」
きっと、先生同士の会話の所々を聞いていたのだろう。
「健太はお母さんのオッパイ飲んで大きくなったけど、金魚は産まれて直ぐに自分で餌を食べて生きて行けるんだよ」と僕が説明する。
「ふ~ん。そっか、金魚はオッパイ飲まないのか」
「金魚は自分の事は自分でやるから、ご両親に育ててもらう必要がないんだ」
「金魚って偉いんだな」
「健太もおっかさんに頼ってばかりいないで、金魚みたいに自分の事は自分でやらなきゃだめだぞ」と祖父がもっともらしい事を言う。
「し~んぱい、ないさ~」健太は、大声でそう言うと、おもちゃ箱を開けだした。
「うん?何かの物まねか?色んな言葉覚えて来るな。この前、死んだ金魚を見て、御遺体って言ってたからな」と笑う祖父。
「何処で覚えたんだろうね」
「火葬場の女って言ってた」
「それ、科捜研の女だろ、ドラマだよ。爺ちゃんも見た事あるだろう」
「ああ、科捜研か、変な事言うと思ったんだ」と笑う祖父だが、これは祖父が聞き違えた可能性が高い。
「迂闊な事は言えんな」
「爺ちゃんが一番気を付けた方が良いよ。でもさ、遊び相手が年寄りってどうなのかな?健太は爺ちゃんと一緒に、よく時代劇チャンネル見てるじゃん」
「うん、健太は遠山の金さんが好きでな」祖父がそう言う横で、健太は仮面ライダーの人形で遊びだした。
「おうおう、てめえらの悪事は、この桜吹雪がとーくと見てたんだよ。神妙にしろぃ!」
「気前がよ~くて二枚目で~ちょいとやくざな、と~や~まざく~ら~」

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