求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年03月28日
最終更新日:2024年03月28日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第678話「出掛ける時は」

第678話「出掛ける時は」

出社して間もなく羽賀が大声で叫んだ。
「ああ~!俺、ガス消し忘れたかも」
「奥さんは?」と山本。
「俺より先に家を出るからさ、お湯も普段はポットに沸いてるんだけど、今日は沸いてなかったから、使う分だけヤカンで沸そうと思ってガス使ったんだ」
「お湯は何に使ったんですか?」と傍に居た女子社員。
「コーヒー飲もうと思って」
「そのコーヒーは飲まなかったんすか?」と山本。
「飲んだ」
「じゃ、その時消してるじゃないですか」と女子社員。
「それがさ、まだ時間があったから家を出る直前にもう一杯飲もうと思って、また沸かし直したんだ」
「で、時間が無くなってそのまま?」と女子社員。
「そんな説明はいいから、さっさと消してこい!火事になったらどうすんだ」傍で聞いていた加藤が怒鳴る。
「すいません行って来ます」
会社の窓の外をヘルメットを被った羽賀が、色付いた紅葉をバックに自転車で通り過ぎて行く。
「あいつ、まだチャリンコ乗って来てんの?」と加藤は、半ば呆れ顔で窓を開けると大声で叫んだ。
「そんなもん乗ってったら時間掛かるだろう。会社の車乗ってけ!」
「それにしてもガスの消し忘れって、羽賀さんらしいっすね~」と山本が笑う。
「ボ~ッとしてっからだ。きっとガスも消してあると思うぞ」と加藤が笑う。
「僕もそんな気がするっすね~」と山本。
暫くして羽賀が戻った。
「いや~勘違いでした。お騒がせして申し訳ありませんでした」と羽賀が苦笑いをしながら頭を下げる。
「やっぱ消してあったんすね」と山本が笑う。
「ボ~ッと生きてるからそういう事になるんだ。今回は勘違いで済んだから良い様なもんだけど、もし消し忘れてたら今頃火事になってたかも知れないんだぞ」
「はい、気を付けます」
「戸締りはちゃんとして来たんすよね」と山本。
「戸締り?」
「玄関の鍵とかっすよ」
「玄関?・・・・ああ~!」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態