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最終更新日:2024年04月26日
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第689話「マーちゃん72」

今年もマーちゃんと二人で初詣に行こうと思ったら、余計なのが一人ついて来た。
僕の友達でもあるマーちゃんの父親だ。
昨日は暖かかったせいか、一度融けた雪が昨晩の冷え込みで氷となり、誰も居ない境内の中に、三人の足音だけが、ガリガリと響く。
拝殿の前で、僕は100円硬貨、マーちゃんは10円硬貨、友達は5円硬貨をそれぞれ賽銭箱へと投げ入れる。
三人そろってお参りを終え、僕が友達に訊く。
「何をお願いしたんだ?」
「そりゃ~お前、どうか、ど~か今年こそは宝くじが当たります様にってな」
「10枚買えば、300円は必ず当たるじゃん。一等じゃなくて良いのか?」
「あっ!そっか!一等前後賞が当たります様にってお願いしなきゃ分からないか」
「そりゃそうだよ」
「もう一回やろうかな?」
「しつこいと神様に嫌われますよ」とマーちゃん。
「そうだな、神様だし、きっと俺の言わんとしてる事は分かってるよな」
「だけど、お前ケチだな、マーちゃんだって10円なのに、5円ってなんだよ」
「分かっちゃないな、こういうのは金額じゃなくて気持ちだよ、御縁があります様にって願いも込めてんだ」
「御縁って何だよ、再婚でもするのか?」
「馬鹿だな、世の中何事も縁だよ。宝くじと御縁があります様にって事さ」
「ああ、なるほどな」
「お前こそ何をお願いしたんだ?」
「俺はお前と違って、今年は会社が景気良くなって、給料がドカーンと上がります様にってな」
「俺と大して変わらんな」
「お前より現実的だろうが」
そんな僕等を見て、笑うマーちゃんに僕が訊く。
「何をお願いしたんだ?」
「コロナが一日も早く収まって、皆が安心して暮らせる世の中になります様にってお願いしました」
それを聞き、自分達の身勝手さに思わず顔を赤らめる大人二人。穴があったら入りたい・・・。
「おい!何処かに穴は無いか?」と友達。どうやら僕と同じ考えの様だ。
「俺も今、お前と一緒に入れる穴を探してるところだ」

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