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最終更新日:2025年04月30日
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第714話「ビニールプール」

隣りに住む源造さんの孫で、四歳児の健太が遊びに来た。
「爺ちゃん、今日もうだる様な暑さだな」
「ああ、うだる様だな」何処でそんな言葉を覚えて来たのかという顔で笑う祖父。
「プール行きたいな~」
「今日はプールは無理・・あっ、ビニールのプール無かったか?足ポンプで空気入れるやつ」と僕に訊く。
僕が子供の頃によく使ってたやつの事だ。
「もう捨てたでしょ」
「いや、物置で見た様な気がする」と言って祖父は外へ出て行った。
「家に居ればエアコンがあるから良いよな」と僕が健太を見て言う。
「子供は外で遊ぶもんだ」と健太。
「何だよそれ、源じいのものまねか?」
その時、外から祖父の呼ぶ声が聞こえた。
「へ~まだあったんだ。でも使えるの?」
「とりあえず空気入れてみるべ」祖父は健太にポンプを踏ませると、やがてプールが出来上がった。
少しの間、空気が抜けないか様子をみるが、問題はなさそうだ。
早速、ホースで水を入れると、僕にとって昔懐かしいプールが出来上がった。
海パンに着替えた健太は、水鉄砲を持ってプールに入ると楽しそうに遊びだした。
日差しは増々強くなり、露出している肌はジリジリと焼ける様だ。
僕はたまらず、エアコンの効いた家の中へと逃げ込んだ。
ベランダから外の健太を見ると、水鉄砲であちこちに水を打っている。何処かに祖父が隠れて居る様だ。
「良いコンビだね」と母が見て笑う。
「うん、精神年齢が同じだからな」と父も笑う。
「はい交代~」健太が言うと、いつの間にか海パンに着替えた祖父がプールに入り、笑いながら隠れている健太めがけて水鉄砲を打ち始めた。
「よ~し、そこか!こっちか!」と楽しそうな祖父を見て父が笑う。
「あの姿はヤバいよね」と言って僕も父と一緒に笑う。
その時、玄関から近所の佐々木さんのおばさんの声がした。
「ちょっとちょっと奥さん!大丈夫なの?お宅のお爺ちゃん。一人で笑いながら水鉄砲打ってるよ」

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