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最終更新日:2024年03月28日
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第590話「友達の定義」

友達の定義はよく分からないが、Aとは歳も同じで時々連絡が来て一緒に飲む事がある。Aはどう思っているのか知らないが、僕はAの事が嫌いだし、最も苦手とする人種に属す
る。
今日も三回目の連絡が来て、不覚にもAが予約した居酒屋で、二人一緒に飲む事になってしまった。
「俺ってさ自慢じゃないけど仕事できるからさ、やっかみっていうの?そういうのが凄くてさ、何ていうのかな?会社でも一目置かれ過ぎっていうか」
「要するに孤立してるって事だろ?」
「そうともいうかな?でもあまり良い響きじゃないね。まあ、できる奴ほど孤独になるんだろうな」口ではいつもこんな風だが、彼なりに悩んでいるのが手に取る様に分かる。
「そういうのを孤立してるっていうの!もっとハッキリいうと嫌われてるんだよ。何でいつも自分を大きく見せ様とするんだ?」
「えっ?大きく?」
「そうだよ、絶えず上から目線で自慢話ばかりしていれば、反発だって買うし、嫌われて当然だろう。大体自慢じゃないけどって、その口癖自体聞いてて胸くそ悪くなるんだよ」
この後も僕はAが嫌われる理由を延々と語り続けた。これで僕の事を嫌ってくれたら願ったり叶ったりだ。
「それって考え過ぎじゃない?みんなそんなこと言わないし、ちゃんと話を聞いてくれるけどな」
「みんな我慢してるだけだ」
「我慢?言いたいことがあれば言うと思うけど」
「面倒だから言わないだけだよ。本当にお前の事を考えてくれる人間は、ちゃんとハッキリ言うはずだ」
ここで何故かAが微笑んだ。
「そっか、俺の事考えてくれてるんだ。友達だもんな」Aの顔が僕にぐっと近づく。
「ちょっと待て、何でそういう事になる?これだけの事言われて怒らないのか?」
「だって、親友だから言ってくれたんだろ?それに俺の欠点を凄く分かってくれてるじゃないか」Aは僕の手を強く握り締めながら鼻の穴を広げて興奮している。
やぶへびだったか・・・。

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