求人君

北海道【札幌・旭川・函館・苫小牧・釧路・帯広】のお仕事探しに求人君
最終更新日:2024年04月19日
最終更新日:2024年04月19日
TOP  > KonなんどうでShow!  > 第692話「あ~らよ♪出前一丁」

第692話「あ~らよ♪出前一丁」

隣りの家の源造さんの孫である健太が遊びに来た。
「爺ちゃん、俺が来なくて寂しかったか?」と祖父に訊く健太。
「おお、健太の顔が見れんで寂しかったぞ」
「そっか、俺も寂しかった」と何故かぶっきら棒な健太。
どうやら自分の背中のリュックが気になるらしい。
健太はリュックを降ろし、慣れた手つきで蓋を開けた。
「もらい物だけど、お昼に食べて下さいって」と言いながらテーブルの上に何かを並べだした。
「ラーメンか、おっかさんが持たしてくれたんだな」とパッケージを見る祖父。
僕も一袋手に取ってみる。
「へ~っ懐かしいな、まだ売ってるんだ」
「お昼に一緒に食べるか?」と僕に訊く健太。
「うん、俺が作るよ」
「そっか、失敗しないか?」
「失敗なんかしないって」
「そしたら任せる」随分と上から目線の健太。
それから少し経って、友達から電話が来た。
最近は寒さがきつかったせいか、車のバッテリーが上がってしまったらしい。
僕は電話を切り、祖父にその事を伝えて出掛けようとすると、心配そうに健太が僕に言った。
「ラーメンは?」
「大丈夫だ。昼までには戻るから」そう言い残すと僕は家を後にした。
友達のところでは思ったより時間が掛かり、気が付くと一時を少し過ぎていた。
家に戻ると祖父と健太が、どんぶりに入った麺をズルズルとすすっていた。祖父が作ったらしい・・・。
「爺ちゃん、これマズ過ぎ」
「昔はもっと美味かったのにな~味が薄いな~醤油でも足すか?」見かねた僕が笑いながら祖父に言う。
「俺が作り直すよ」
「爺ちゃん失敗したのか?」と健太が祖父を見る。
「失敗も何もインスタントラーメンなんか誰が作ったって同じだべ」と祖父。
「それ、ラーメンじゃないよ。卵まで入れてさ」と僕。
「えっ?出前一丁じゃないのか?」と祖父。
「どこにそんな事書いてあるよ、ホンコンやきそばって書いてあるだろ」

エリア
カテゴリ
こだわり
雇用形態