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最終更新日:2024年04月26日
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第695話「やっぱり日本製」

居酒屋でAと一緒に飲んでるとAのスマホが鳴った。
「ご苦労さん、俺?友達とメシ食ってる。明日って日曜日だろう、エ~ッ!マジか!良いけど俺一人じゃきついな・・・あっ、ちょっと待って」と言ってAはスマホから耳を離すと僕に言った。
「お前、明日って空いてるか?午前中一時間ぐらい都合つかない?」
「良いよ」僕は何だかよく分からないまま承諾した。
「よしOK!行くよ」そう言ってAはスマホを切った。
「明日10時に冷蔵庫の配達が入っちゃってさ」家電店に努めているAが言った。
「日曜日は配達しないんだけど、お客さんが平日は病院へ行くとかで日曜日しか空いてないらしくてさ、それも急に言って来たらしくて」
「俺で良ければ手伝うよ、明日は予定ないしさ」
「助かるよ、お礼に昼飯おごるからさ」
「おっ、いいね~」
翌朝、Aの会社のトラックで納品先へと向かう。
「いや~無理言っちゃって悪かったね~」かなり高齢のお婆ちゃんだった。
「20年も使ったから冷蔵庫も本望だろうよ」
「20年?そりゃ凄いですね~」とAが驚く。
冷蔵庫を動かすと、20年分の綿埃が出てきた。
「お婆ちゃん、掃除機あります?」と僕が言う。
「はいはい掃除機ね、あらら雑巾もいるね」と言いながら、掃除機をガラガラと引っ張って来た。
「この掃除機も長い間使ってるみたいだね」と僕。
「そうなの、今年で18年だよ、ちょっとぐらい高くても、やっぱり日本製が長持ちするね、私も日本製だしさ」と笑うお婆ちゃん。
「お婆ちゃんも元気そうだよね」と僕が笑う。
「先月90歳になったよ」
「エ~ッ!全然見えない、50代かと思った」と僕。
「いや~面白い電気屋さんだね」僕は電気屋ではないが、お婆ちゃんの笑顔を見て、まあいいか、と思う。
雑巾を持って来たお婆ちゃんは、急に何かを思い出した様に言った。
「ところでさ、今度の冷蔵庫も20年持つんだよね」

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