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最終更新日:2024年04月25日
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第696話「マーちゃん73」

友達の家に行くと、息子である小学5年生のマーちゃんが留守だった。
「マーちゃんは?」
「遊びに行ったよ」と友達。
「ああ~そっか、そうだよな~日曜日だもんな」
「何だよ、ガッカリして」
「うん、かなりガッカリだ」毎回、友達よりマーちゃんに会いに来ているといった方が良いかも知れない。
「たこ焼き買って来たけど食うか?」
「おお良いね~ちょうど小腹が空いてたんだ。今、お茶入れるわ」と読んでいたコミックをテーブルの上に置いて立ち上がる友達。
「へ~珍しいな、お前がコミック読むなんてさ」
「鬼滅の刃、知ってるか?」と何故か自慢気な友達。
「知ってるかって、お前、今頃なに言ってんだよ」
「やっぱ知ってたか」
「当たり前だ!日本中で鬼滅ブームだったろ」
「そっか?今ちょうど半分ぐらい読んだとこだけど、これやばいな、泣けるぞ」
「マーちゃんのか?」
「ああ、家族愛の漫画だから読んでみろって言われてさ、これが結構はまっちゃってな、止まらないんだよ。 みをつくしも良いけど、たまには漫画もいいな」
みをつくしとは、髙田郁の小説で、友達の愛読書だ。
彼は時代小説が好きなので、刀が出てくる鬼滅の刃は、読んでいてしっくり来るのかも知れない。
今更ながら鬼滅について延々と熱く語る友達。
「でもこれは良いな、親子で共通の話題ができてさ、最近、たいした話題もなくて会話も減ってきてたからさ、それも家族愛って最高じゃん」と喜ぶ友達。
そんな話をしていると、マーちゃんが帰って来た。
「あっ、こんにちは」と笑顔で挨拶をするマーちゃんの手には、重そうな紙袋が。
「何だそれ?」と友達。
「コミックです。友達から借りました」
「そっか、今な、今ちょうど炭次郎がな」と友達がコミックの内容を言いかけるが、マーちゃんは袋から借りて来たコミックを出すと、友達の話を遮る様に言った。
「それはもう古いです。今はこれ、呪術廻戦です」

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