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最終更新日:2024年04月25日
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第701話「健太とアタル」

今日も隣りの家の孫の健太が遊びに来た。
そろそろ祖父との遊びにも飽きて来た様だ。
「今日はアタル来ない?」健太が祖父に訊く。
「夜に、ふらっとビールを持って来る事はあるが、昼間は来んだろう、何だ?アタルに会いたいのか?」
「そんな事ない」不機嫌そうな顔でうつむく健太。
「そうだよな、爺ちゃんが居れば十分だよな」
「う~ん、微妙」健太の言葉を聞いて祖父が笑い出す。
「そっか、微妙か、健太は随分と難しい言葉を知ってるんだな」
「そうでもない」
「電話してみるか?暇してるかも知れないぞ」と僕。
近所だけあって、電話を切ってから五分ほどで暇人のアタルがやって来た。
「ち~っす」相変わらずの巨体だ。
「でか~」いつもの事ながら、後ろにひっくり返りそうなほど顔を真上に向けてアタルを見上げる健太。
「兄貴は?サトルはどうしてる?」と祖父。
「ミツキを寝かしつけてた」
「そっか、ミツキに会いたな、大きくなったかな」
「ここに来てから、まだ一週間しか経ってないっしょ」と笑うアタル。
「いやいや、赤ん坊なんて毎日成長するもんだぞ」
祖父とそんな話をしているアタルの足元で、健太がピョンピョンと跳ねながら、「遊ぼう遊ぼう」とせがむ。
アタルは、健太の馬になったり、寝っころがったり、健太の言うがままに動く。
「アタルは健太の下部みたいだな」と祖父が笑う。
「シモベってなに?」
「そうだな、家来みたいなもんかな」
「ふ~ん、アタル!肩車」
「ダメだよ、天井に頭ぶつけちゃうぞ」
「じゃ、そこの公園行こう」
「俺も散歩がてら公園でも行くか」と立ち上がる祖父。
コンビニへ行こうと思っていた僕も一緒に外へ出た。
肩車をしてもらい、ご機嫌な健太を見て、近所のおばさんが声を掛けて来た
「お兄ちゃん大きいから見通しが良いでしょう」
「お兄ちゃんじゃないもん、俺のシモベだもん」

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