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最終更新日:2024年04月25日
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第702話「マーちゃん74」

友達の家に行くと、親子喧嘩の真っ最中だった。
「またか、よくネタが尽きないもんだな」と僕が笑う。
「あっ、お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ありませんでした」と息子である小学五年生のマーちゃんが謝る。
「笑いごとじゃないぞ、親子関係が崩壊するかも知れない重要な問題なんだ」と父親である友達が神妙な面持ちで語る。
「へ~そうなの、そんなもんもうとっくに崩壊してるのかと思ったけどな。どうせまた原因はお前だろ?」と僕が友達を見る。
「いや、絶対に俺じゃない」
「僕は別にやってしまった事を怒っている分けじゃなく、やってないと嘘を付く事に怒っているんです」どっちが親か分からない。
「マーちゃんに嘘付いたのか?」過去の経験から非は絶対に友達の方にある。
「嘘も何も、俺は知らないんだって」そんな父親を諭す様にマーちゃんが言う。
「人と人の関係はお互いの信頼関係から成り立つものだと僕は思います。よく親子は深い絆で結ばれているといいますが、それも結局は信頼関係なんだと思うんです」小五とは思えぬ持論を展開するマーちゃんに、口を半開きにして聞き入る大人二人。
「そもそも原因は何だ?」
「部屋の模様替えをしてたら、茶だんすの裏の壁に穴が開いてたんだ」と壁の下の方を指差す友達。
「あらら、酷いな」と僕。
「まるで隠す様に茶だんすが置いてあるんですよ、これは誰かが意図的にやったとしか考えられません」
僕は、その穴をじっと見ていて思い出した。
「あっ!これ、引っ越しの時に俺が開けた穴だ!後で直そうと思って・・・」
「あ~っ!あの時のか!」と友達も思い出した様だ。
「昔の事だからすっかり忘れてたわ」と笑う友達と一緒に僕も笑う。
「笑い事じゃないですよ、二人の共同犯行じゃないですか」マーちゃんの目がコナン君の様にキラリと光る。
僕らは潔く罪を認めて深く反省をする。
「ごめんなさい」

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