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最終更新日:2024年04月19日
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第704話「思いやり1」

今は連休真っ只中であるが、何処へ行くわけでもなく、日がな一日をだらだらと過ごす毎日が続いている。
読書ももう飽きた。
外の空気が吸いたくなり、軽く散歩でもする事にした。
隣りの家の愛香が屈伸運動?をしている。
「何やってんだ?」と僕。
「そっちこそ何やってんの、デートじゃないの?」
「ふん!ほっとけ!」
「あっ、喧嘩したんだ」図星だったのでドキッとした。
「走るから準備運動してたんだ、誰かさんと違って私は若いから、じっとしてるとエネルギーがあふれ出して来ちゃうのよ」
「誰だよ誰かさんって、俺だってまだまだ若いぞ」
「まあ、世間では若造の部類なんだろうけど、高校生の私から見たら、立派なおっさんだよね」
「じゃ、試してみるか?」
「へ~っ私と勝負する気?」
「やってやろうじゃないの」
愛香から走るコースを聞き、少し驚く。
「ちょっと長過ぎないか?」
「何言ってんの、楽勝っしょ、それにこれって一番楽なCコースだから」
「何段階かあるのか?」
「うん、A~Cの三段階、なんならAにする?」
「いや、Cでいい」
運動部といえど所詮は女子、負けるはずがない。
僕は着替えを済ますと、愛香に言った。
「俺のぺースに合わす必要ないからな」
「はいはい」そんなやり取りをしながらスタートした。
「おい、マイペースだぞ」
「これ私のペースだから」
暫く二人で並走するが、その差が徐々に開きだした。
それは、僕がペースを上げたからだ。
愛香との差が徐々に広がって行く。
暫く走り、振り返ると遥か後方に愛香の姿が見えた。
ここまで差が付くと、子供相手に大人気なかったかと、少し後ろめたい気持ちにもなって来る。
この辺で少し待ってみるか?いやいや、世間はそんなに甘くないという事を分からせる事も大切だ。
僕は更にペースを上げ、愛香との差をどんどん広げて行った。   つづく

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