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最終更新日:2024年04月26日
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第708話「お昼寝の時間」

祖父が分厚い老眼鏡を掛け、食い入る様にスマホを見ている。
「幼児期の子供は昼寝が大切なんだと、最近は全然昼寝しないもな~」よく我が家へ遊びに来る隣りの源造さんの孫である四歳児の健太の事を言ってる様だ。
テレビを見ていた父が祖父に言った。
「子供のベッドの横で母親が本を読むシーンが、よく映画であるだろう、あれ良いんじゃないのか?」
「ダメダメ、話にのめり込んじまって、逆効果だった」
「じゃ、眠くなる様な面白くない本はどうだ?」
「そんな本を黙って聞いてると思うか?」
「昼寝しないとアタルみたいに大きくなれないって言ったら?」母が可成り有効と思われる案を出した。
アタルとは近所に住む長身の若者で、時々健太の面倒を見てくれる。
「それ良いかもな、あいつアタルのでかさに憧れてたからな」と父。
日曜日になり、健太が遊びに来た。
今日は先週買ったおもちゃで祖父と遊んでいる。
「は~い、今日は暑いから健太の好きな冷やしラーメ作ったよ~、早く食べてお昼寝しなさいね」と母。
「冷しラーメンは好きだけど、お昼寝は嫌い」と健太。
「あら?健太はアタルみたいに大きくなりたいんじゃなかったの?」
「うん、なりたい」
「お昼寝しないと大きくなれないんだぞ」と父。
「そうなのか?」と確認する様に僕の方を見る健太。
「うん、アタルも健太ぐらいの時は、いっぱいお昼寝したんだってさ」
「よし!ラーメン食べたら寝るか」と健太。
ラーメンを食べ終え、少ししてから祖父が言った。
「もう昼寝するか?」
「う~んまだ眠くないかな」と言う健太を、祖父は構わず健太の布団が敷いてある部屋へと連れて行った。
それから十分程してリビングのドアが開いた。
「健太⁉」僕ら三人が驚く。
健太は口の前に指を立て、声を潜めて言った。
「シ~ッ、今寝かしつけたとこだから」

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